みなさんは、睡眠不足が続いたときに様々な体調不良に襲われることはありませんか? 体調不良と睡眠は深い関係があり、相互に影響を及ぼします。睡眠不足が身体に及ぼす影響についてまとめました。
睡眠の質低下が身体に及ぼす影響
1.免疫力の低下
深い睡眠(ノンレム睡眠)中には、免疫細胞(ナチュラルキラー細胞やT細胞など)が活性化され、病原体への抵抗力が高まります。つまり睡眠が浅く短いと、免疫系がうまく働かなくなり、風邪や感染症にかかりやすくなります。
2. 自律神経の乱れ
睡眠不足は交感神経(活動モード)を過剰に活性化させ、副交感神経(リラックスモード)の働きが抑えられます。その結果、動悸、息切れ、胃腸の不調、冷え、頭痛などが現れることがあります。
3. 代謝異常・体重増加
睡眠が不十分だと、食欲を調節するホルモン(レプチンの減少、グレリンの増加)が乱れ、過食や間食が増えます。また、インスリンの働きが悪くなり、糖尿病や肥満のリスクも高まります。
4. 心血管系への負担
睡眠の質が悪いと、夜間に血圧が下がらず、心臓や血管に負担がかかります。また、睡眠不足で交感神経が活発な状態が続く事も不整脈や高血圧などにつながりやすくなります。その為、長期的には、高血圧、心筋梗塞、脳卒中のリスクが上昇します。
5. ホルモン分泌の障害
睡眠中に分泌される成長ホルモンやメラトニンが減少します。成長ホルモンは細胞の修復や代謝に関わるため、不足すると肌荒れや疲労感、老化の加速につながります。
6. 痛みの増強
慢性的な痛み(腰痛、頭痛、線維筋痛症など)は、睡眠不足によって痛みの閾値が下がり、感じやすくなることがわかっています。また、寝不足が続いたときは筋肉が慢性的に緊張状態となる事で神経を圧迫したり血流不全を起こし、首や肩の痛みを助長します。
睡眠の質低下が精神・認知機能に与える影響
睡眠の質低下は精神機能や認知機能とも大きくかかわっています。
1.集中力・記憶力の低下
睡眠不足により、集中力が低下して仕事や学業のパフォーマンスが下がります。忙しい時や受験勉強などにおいても、時間がないからと睡眠時間を減らすことは逆効果につながります。睡眠はしっかりとるようにしましょう。
2.感情の不安定化
睡眠不足はイライラや、不安、抑うつ傾向が強まり、メンタルヘルスに影響します。逆に常に心配ごとに見舞われていると睡眠不足を助長し、さらにメンタル不調となります。まったく眠れなくなる前に、初期症状として夜間に中途覚醒などが出ることもあります。夜間に1~2回目が覚める事が起こるようになったら、普段自覚できていないストレスがあるかもしれません。
3.認知症リスクの増加
特に中年期以降の睡眠不足は、脳内の老廃物(アミロイドβ)の排出が滞り、将来的なアルツハイマー病のリスクを高める可能性があります。
🛌 睡眠の質セルフチェックリスト(簡易版)
簡易的な睡眠の質セルフチェックリストです。自分の状態チェックにご利用ください。
下記の質問に対して、「はい」または「いいえ」で答えてください。
質問内容 | はい | いいえ |
---|---|---|
朝、目覚めたときにすっきりしている | ☐ | ☐ |
平日の睡眠時間が6〜8時間程度とれている | ☐ | ☐ |
寝つくまでの時間が30分以内である | ☐ | ☐ |
夜中に2回以上目が覚めない | ☐ | ☐ |
夜中に目が覚めてもすぐに再入眠できる | ☐ | ☐ |
起きたあとに日中の眠気がない | ☐ | ☐ |
日中に集中力・判断力が落ちないと感じる | ☐ | ☐ |
寝る前にスマホやパソコンを見ていない | ☐ | ☐ |
就寝・起床時間が毎日ほぼ一定である | ☐ | ☐ |
就寝前に**リラックスできる習慣(ストレッチ・読書・入浴など)**がある | ☐ | ☐ |
📝 評価の目安
- 8〜10個「はい」:
→ 良好な睡眠習慣です。睡眠の質も高く、日中のパフォーマンスにも良い影響があると考えられます。 - 5〜7個「はい」:
→ 睡眠の質にやや問題がある可能性があります。寝具や生活習慣の見直しをおすすめします。 - 4個以下「はい」:
→ 睡眠の質が低下している可能性大。肩こり・疲労感・集中力低下の原因になっているかもしれません。生活リズムの見直しや医療機関への相談を検討してください。
スマートウォッチや睡眠計を活用
心拍数・体動・呼吸などをもとに、睡眠ステージ(浅い眠り・深い眠り・REM睡眠)を推定してくれる睡眠計といわれる機器もあります。
まとめ
睡眠が身体に及ぼす影響についてまとめました。睡眠の質低下は身体や精神に様々な影響を及ぼします。特に最近は地球温暖化により寒い時期から急に暑くなり寝苦しい時期を迎えるなど気候変動に身体がついていかないことも影響しています。睡眠不足を感じたら早めに対処方法を検討しましょう。慢性的な睡眠不足の場合は医療機関への相談もよいでしょう。
次回は睡眠不足を解消するための方法をいくつか記載します。
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