本記事では腰椎すべり症について、その原因や症状、予防について記載しています。
腰椎すべり症とは

腰椎は5つの椎骨が椎間板を挟んで椎間関節で連結されています。通常は椎間関節や椎間板、靭帯などによりずれないように固定されていますが、何らかの原因によりある場所の腰椎が前方にずれてしまう病気です。
腰椎すべり症の分類としては、「変性すべり症」と「分離すべり症」に分けられます。
変性すべり症
原因:加齢に伴う椎間板の変性などにより関節の安定性が失われて起こるとされています。閉経後の女性に多いと言われています。また第4腰椎で起こることが多いと言われています。
症状:少し距離を歩いていると太ももやお尻の辺りが痛くなり歩けなくなります。前屈やしゃがんで休むことで症状が改善します(間欠性跛行)。※脊椎がずれることで後方の脊柱管が狭くなり脊髄が圧迫され、脊柱管狭窄症と同じような症状になります。
分離すべり症
原因:スポーツにより発生する事が多い疾患です。バレーボールやサッカー、野球、など、反りや捻りの動作が伴うスポーツで多くみられます。腰椎の反りや捻りの繰り返しにより、少しずつ脊椎に亀裂などが入り椎弓と呼ばれる部分で2つに分離してしまう事で発生します。スポーツをしている人では30~40%に出現すると言われています。頻発部位は第5腰椎に起こることが多いと言われています。
症状:腰痛やお尻、大腿部分の痛み、しびれなどが出現します。特に腰を反らす動作で痛みが増強します。
診断および治療法
診断
整形外科にてレントゲンやMRI、分離すべり症の場合は神経ブロックなどで診断されることもあります。
治療法
薬物療法:筋弛緩薬や消炎鎮痛薬が用いられます。変性すべり症で神経症状などがある場合は末梢循環改善薬なども用いられます。
手術療法:薬物療法で治癒しない場合は手術療法として脊柱固定術が行われます。
装具療法:腰椎を安定させるために硬性コルセットを着用します。個々の体格に合わせて義肢装具士さんがオーダーメイドしてくれます。
リハビリ:予防のためのリハビリを行います。
セルフコンディショニング 選
コンディショニングはストレッチと体幹トレーニングが基本です。
注意点:症状が強く、医師から安静を指示されているときは安静が第一です。特に体幹トレーイングは少しずつ症状が治まってきてから始めると良いでしょう。
ストレッチ

①腰背部の筋緊張を取るためのストレッチ
仰向けで両膝を抱え込み腰の後ろ側をストレッチ
30秒×2セット

②股関節前面のストレッチ
片膝立ちで後ろに伸ばした側の股関節前面をストレッチ
30秒×2セット

③ハムストリングスストレッチ
仰向けでは片膝の裏を両手で持ち、足を天井に向かって伸ばします
30秒×2セット
座位では片足ずつ骨盤から前に倒すイメージで足裏をストレッチします
座位では片足ずつ骨盤から前に倒すイメージで足裏をストレッチします
30秒×2セット
体幹筋力トレーニング

①ドローインEx
椅子に座り、お腹を凹ませながら息を吸います。
お腹を凹ませたままでゆっくり息を吐いていきます。

②フロントプランクEx
肘を立てた状態から腰を持ち上げ保持します
30秒×2セット
余裕があればその状態から片足を持ち挙げて保持
左右30秒
まとめ
腰椎すべり症、分離すべり症について原因・症状・治療・セルフコンディショニング5選を提案しました。基本的に滑った椎体は自力で元に戻すことは困難です。腰痛がある場合は整形外科で適切な診断と治療を必ず受けてください。セルフコンディショニングはあくまでも再発予防手段となります。





コメント